逗子葉山近辺でシステム開発業を生業としてる男の地を這うような日常。

匍匐前進の日々

PROFILE
たなb
  • たなb
  • フリーランスのエンジニアをしてます。
    システム開発中心。家族あり。

    運動不足をなんとかしたいです。


CATEGORY


RECENT ENTRIES


RECENT COMMENTS


RECENT TRACKBACKS


MONTHLY ARCHIVES


LINKS


SEARCH THIS SITE
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【--/--/-- (--) --:--】 スポンサー広告
このページの先頭へ
鉄コン筋クリート
鉄コン筋クリートを観る。(ネタバレあり)
子供と観にいく予定でいたが、友達と行く約束をしたということで、友達もまとめて横須賀のダイエーまで送ってく。
忙しいし帰ろかなとも思ったが、やはり俺も観たくなり、子供等とは別行動で観ちゃった。

松本大洋は読み手を選ぶ作家だと思う。
生命線は単純明快。しかし、絵、台詞、設定その周囲に巧妙に仕掛けを張り巡らして、哲学の域にまで読み手を連れて行く作品を作ってしまう。かといって読者から遠く離れてしまうことはなく、最後は単純明快な場所に着地できるのもこの人の作品の良いところだと思う。
映画版ピンポンは、POPな部分を誇張することで多くの人が楽しめる青春賛歌になった。
鉄コン筋クリートも生命線は単純だと思っている。クロとシロという少年の名前そのままに善悪、明暗、愛憎の間で揺れ動きながら成長する少年の物語である。ピンポンに比べると設定が重いが、楽しめました。

絵もよかった。アジアと昭和日本の混沌を具現化した宝町という舞台も決してテーマパーク然とならないような生々しさが伝わってきた。
その混沌とした街を主人公のホームレスの子供、クロ、シロが縦横無尽に飛び回る爽快さ。時代から取り残され、生活の匂いが薄れていく街のはかなさ。その他、色々な要素が詰まっており、実におなかいっぱいになる。
その町の中に、新たに建造され、がん細胞のようにそそり立つテーマパークが、意外と違和感なく存在してしまう感覚。町というのは常に変化する。
宝町の風景をもの凄く気合入れて描いてきた割には、監督の宝町への目が冷めている印象を与えるのが面白い。変わりゆく宝町へのセンチメンタリズムは無い。贅沢な映画だ。住む人間たちの心の持ち様が肝要であるという点についてブレは無い。

物語には色々な対比が複雑に入り乱れるが、最後に暴力を完全否定する形で終了する。映画評で暴力シーンが云々言ってる奴がいたが、この映画は暴力完全否定映画なんだぜ。暴力の効能をある程度見せた上でそういう結末を見せてくれるから手がこんでる。
暴力に寄り添って生きてきた連中は優しい奴だろうが容赦なく路上で死んでいく。宝町を愛する年老いたヤクザ「ネズミ」は町への愛を抱いたまま殺され、恩人である彼を殺すことになった「木村」も、結局は身ごもった妻を残して殺される。町を暴力で変えようとしていたヘビも死ぬ。
ヘビによる圧倒的な暴力からイタチに暴力によって救われたクロは、長い葛藤の末、イタチ(クロの暗黒面)側に堕ちることなく、シロ(善性の象徴)と共にあることを選ぶ。
#ちょっとスターウォーズみたいね(笑)
クロは、小さい頃から面倒をみて助けてきたシロに、実は助けられてきたんだよねーというベタな感じが好きだ。
後半、クロの葛藤を描く精神世界の映像がちと長かった気は確かにしたが、あれを境にクロは大きく変わるのだから、仕方ないか。

ラストの光景は宝町ではなく、青々とした海と白い砂浜である。
映画冒頭で「俺の町」と口癖のように語るクロはそこにはおらず、町から「親離れ」を果たした逞しい少年たちの姿があった。

松本大洋はとても素敵なハッピーエンドを演出する作家なのだ。
20070115010143.jpg

スポンサーサイト

【2007/01/13 (Sat) 20:50】 映画 // TRACKBACK(0) // COMMENT(0)
このページの先頭へ
この記事に対するコメント











管理者にだけ表示を許可する

このページの先頭へ
| BLOG TOP |
この記事に対するトラックバック
http://tanab.blog37.fc2.com/tb.php/841-af01abbd
このページの先頭へ
/
Powered by FC2ブログ / Template by chocolat*
Copyright © 2005 匍匐前進の日々 All Rights Reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。