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逗子葉山近辺でシステム開発業を生業としてる男の地を這うような日常。

匍匐前進の日々

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たなb
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辻信一という人間への違和感
最近の情報源って車の中のラジオが多いよなあと。

今日も足柄からの帰路ラジオを聴いてると、なんか辻信一とかいう人が話しておる。明治学院大学国際学部教授だって。

「江戸時代の豊かな暮らしに学べ」

という極論を述べておられた。
聴いてるうちに腹が立ってきた。少なくとも文化人類学なる学問を何年もやってきた人間が、そういう極論を堂々と言ってのけるというのはいかがなものかと。
幕府が開国に踏み切った時代、文書によれば諸外国の人間が江戸を見たときに一様に感動してるというのだ。街の至るところに自然を愛でるやさしい心が息づき、大人は子供をいたわり、子供は屈託無く笑い、清潔で、まさに理想の都市然としたイメージ。江戸という都市は理想的な田園都市だったというわけである。どうも、ご本人のベトナムの田舎とかブータンあたりの体験とダブってるらしい。
で、大人は未来の都市にこういう懐かしさやさしさというイメージを持つべきと説いている。

俺は江戸時代にだって暗部はいくらでもあるなんて野暮なことは言わない。キレイどころだけ切り取りやがってとかは言わないよ。

江戸時代の理想郷的部分を切り取って考えてみても、この人の言ってることそのものが矛盾しておるのだ。
美しい町というものが形作られるのは何故かということである。

キーワードは情報と行動半径だろうと思っておる。

美しい町や村はどのようにして構成され優しさや秩序が保たれるのかということだ。それには「情報を必要以上に持たない」事が肝要だろう。

人は、より多くの情報を得、より行動半径が広がれば、当然捨てる部分が出てくる。それは先祖の代から受け継いできた秩序かもしれんし、庭を美しく保つことだったり、子供に親身になることだったり、色々あろう。
極端な話、ある人が、スローライフという情報を得てそれを実践しようとすることで、もしかしたら別の何か(例えば先祖から受け継いできた何か)を捨てる場合もあるかもねということ。
行動範囲が狭く情報が少ないからこそ、小さな庭や自分の住む横丁をたっぷりと時間をかけていとおしむことも出来るし、地域のしがらみに従うことも出来るんじゃねと。

「江戸時代に学ぶスローライフ」という情報を提供する行為自体が、かつて存在したかもしれない理想郷に近づく行為とはとても思えないのである。むしろ「江戸時代を真似たスローライフ」という選択肢(つまり情報)を増やすだけのことなんである。その行為の先に子供の屈託無い笑顔は到底見えないのである。
勿論、江戸時代の日本の教育水準は当時世界的にも高かったということは聞いてる。が、当時の庶民がブータンなんて国を知ってましたかということである。自然食なんて意識してましたかということである。

ようするに、後戻りはできない。
多くの情報を知りえてしまう今、ブータンの子供の笑顔を日本の子供に求めること自体がナンセンスではないか。もの凄く寂しいが、そこを踏まえないと先に進めないと思うのである。
「そんなことはない。自然体験学習で子供たちは見違えるように生き生きと・・・」とか言うかもしれんが、それは貴方方目線での話しではないかと。子供たちは既に情報を持ってしまっているんだから。どの情報を選ぶか、選択権は勿論子供にある。

そんなことはおそらく重々承知の上だろう。散々そんなことばかり考えてる職業なわけだろ。その上で、「江戸時代のようなスローライフ」なんて言ってる人間は、どうも苦手なんである。

じゃどうすればよいのかなんて問われても大きなことはわかりませんて。俺個人としてなら、ただ一人の社会人として子を持つ人間として、なるべく誠実に生きるしかないでしょと言えますけどね。その感覚は当時の市井の人もおそらく持っていたと思うぞ。

この辻という人、どんな人かと思い調べてみると、あーなるほどというプロフィールだった。
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【2006/11/02 (Thu) 22:34】 日記 // TRACKBACK(0) // COMMENT(5)
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